優しい声

赤いてんとう虫の写真。

私が目指してきた場所はどこなのか。



何もなくなった空間には、

ただ私の鼓動と想いが響いていた。



願っていたはずの幸せは消え、

抱えていた苦しさは、
哀しみに変わっていった。




「その場所に、苦しいとか、悲しいとか、寂しいと言っている人はいる?」


そう呟いた私の声は、響く前にかき消された。


「いるわけないじゃん」


久しぶりに聞いたその声に、少し安心している自分がいた。

そうだったね、いるわけないんだよ。



「ほんと、いつも泣いてばっかりなんだから」

そんな言葉に「ごめん」と言いながら、また涙が止まらなくなる。


一人じゃだめだった。

一人じゃ強くいられなかった。


昔から変わらない。私は泣き虫だった。



だから強くなりたかったし、

だから泣かないって決めたんだ。



女の子でいることよりも、

守ってもらいたいなんて思っているよりも、


さっさと自分でなんとかしろ。

一つでも何か動け。



そうやって生きてきた。

そう思い出した。



かっこよくなりたいんだ。

クールに立ち去るヒーローみたいに、
憧れの人たちみたいに。



みんなと同じになれなかった私だからこそ、

出会える確率は上がるんだ。



この道の先に、苦しくても進み続けた人たちがいる。

この道って結構大変だったよね、って同じ気持ちで笑い合える人たちが。

だから一歩でも進めるように、

その場所に続く道をただひたすら進むと心に刻め。





また気合を入れすぎている私に、

「ただ楽しめばいいよ」と、


いつもより少し優しい声で言った君は、

またどこかへ飛んで行った。

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