「そんなこともあったよね」と、笑い合える日が、いつか来るかもしれない。
そう信じて生きてきたけれど、多分この辺りは人生の折り返し地点。
あの人たちが、どこで何をしているのか、知る術すら持たない私は、
そんな日が永遠に来ないことくらい、とっくに知っていたはずなのに、
いつまでも扉を開け放したまま、帰りを待ち続けてしまっていた。
そろそろ終わりにしよう。
そう呟いて、深呼吸をした。
そっと扉を閉め、鍵をかける。
重く冷たい音が耳に届く頃、私の心は静寂に包まれていた。
たったそれだけで、部屋は暖かかった。
たったそれだけで、安心して眠りにつけることを知った。
もう待たなくていい。
好きな時に眠っていい。
もう、忘れていい。

