静かだけど重たい何かが、私の胸を殴りつけた。
その瞬間、少しだけ呼吸ができなくなる。
苦しくて痛い。
また大きな波が来たのかと身構える。
でも、ほんの数秒後に少しだけ鼓動が速くなって、その痛みと苦しみは体に薄く広がって消えていった。
いつもとは違う感覚だった。
胸に手を当て、ゆっくり呼吸をする。
なぜか涙が溢れていた。
多分、これが私がずっと知りたかったことだ。
そして、一番知りたくなかったことだったということも。
だけど、ありのままの事実を見なくちゃ、知らなくちゃ、本当の答えは出せない。
きっと、これが私が今までの人生をかけて知りたかったことの、私なりの答えだと思った。
私は初めから見ていたし、知っていた。
みんな、ちゃんと見せてくれていたんだ。
ありのままの、その人らしさを。
私がずっとわかりたくなかっただけ。そう思いたくなかっただけ。
誰もがその人らしく自由に生きていた。
そうできていなかったのは、私だけだった。
たったそれだけだったんだ。
見上げた空は青く透き通っていて、もくもくの雲たちが、気持ちよさそうに風に吹かれて優しく流れていた。
夏は今どのへんにいるのかな。
振り返ると、「ここだよ」と微笑んで、私を見つめてくれていた。

