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短編
🎄『水鏡』 12月11日
それは、霧の濃い満月の夜だった。私はいつものように、月の美しい姿を差し出していた。月は満足そうにほほ笑み、星たちと流星群の出番を決める話や、織姫と彦星の噂話をして楽しそうにしていた。眠りについた森の木々や動物たちは影になり、私と話してく... -
短編
🎄『プレゼント』 12月10日
強くなりたかった。君を守るために、誰よりも強くて、優しい人になりたかった。そのためならなんだってする覚悟があった。この命をかけて君を世界一幸せにしたいと思っていたから。ある日、見知らぬ女が君を横目に鼻で笑って通り過ぎた。そんな日の夜は、... -
短編
🎄『サンタクロースになった日』 12月9日
いつも、天井を見上げながら思っていた。意識を交換して、誰かの1日を過ごしてみることは出来ないかと。例えば、友達と。例えば、ワンちゃんと。例えば、テレビの中の人と。だけど、どれだけ頑張ってもそれはできなかった。体と意識はどうやって固定されて... -
文章・エッセイ
小さな世界
ブロッコリースプラウトの芽が出た。私の小さな農園が増えていく。 小さくても、確かに、少しづつ広がる私の幸せな世界がここにあると思うんだ。 -
短編
🎄『スノードーム』 12月8日
朝起きるとからっぽになっていた。ここには、キラキラ光る小さなカケラとか、どこかで見つけた珍しい形の石とか、ラムネに入っていた綺麗なビー玉とか、私の宝物がたくさん入っているはずだった。からっぽの瓶を眺めていると、そこには初めて感じる感覚が... -
短編
🎄『Time space traveler』 12月7日
ここだけの話だが、私は、この世界のパラレルワールドを行き来して生きているんだ。どこかで噂話として聞いたことがあっても、それが本当だって聞いたことがある人はあまりいないだろ?今君が見ているこの世界と、両極に並んだ世界も同時に見続けて生きる... -
短編
🎄『ぼくからサンタへの手紙』 12月6日
ぼくの住んでいる町には、ふしぎな妖精や、優しい動物たちがいる。ぼくは小さな頃からずっと、その子たちとお友達だったし、今も大切な親友だよ。それに、世界中のみんなにクリスマスプレゼントを届けてくれる、サンタの住む家だってあるんだ。ぼくはまだ... -
短編
🎄『散歩道』 12月5日
12月に入って、一気に冬らしい気温になった。日課だった愛犬との散歩も、寒さには勝てない。私は布団に潜り込んで、寒さをやり過ごしていた。午後になり、ようやく活動を始める私を、愛犬は横目でチラリと覗いている。世の中はイルミネーションで彩られ、... -
短編
🎄『太陽の願い』 12月4日
あと数時間で、今年最後の満月が完成する。私は、あなたを照らすために灼熱の炎を纏っている。この日をどれだけ待ち焦がれていたことか。あなたが1番美しく輝ける今夜のために、私はいつもこの宇宙で炎を絶やさずにいた。穏やかに輝く星たちのように、私も... -
短編
🎄『マジックショー』 12月3日
「世界一のマジックショーへようこそ!今宵は、私のマジックで、人類が未だ見たこともないほど美しい天体ショーをお見せしたいと思います。日常を忘れ、幻想的なひとときをお楽しみください」マジシャンは、右手に持っていたステッキでトン、トン、トンと... -
短編
🎄『初霜』 12月2日
朝起きるのが苦手な私は、布団から起き上がり、とりあえずテレビをつけるのが日課だ。部屋の中に人の声が響くと、少しずつ目が覚めていく気がするから。コーヒー用のお湯を沸かしながら歯を磨く。頭は半分以上まだ寝ている。昔思い描いていた20代の生活と... -
短編
🎄『Silent Night』 12月1日
森を抜け、夜の町に出ると、目の前には教会が見えた。冷たい空気に包まれた教会の窓からは、あたたかく優しい灯りが溢れている。静まり返った真っ白な町は、クリスマスが近づくほどに色付いていく。みんなのワクワクした気持ちを、ひとつずつ箱に閉じ込め... -
文章・エッセイ
自分らしく暮らす
自分が過ごしやすいように部屋を整える。広くないから、掃除する場所も少ない。物が少ないから、全部を把握できる。 自分が生活に必要だと思ったものだけを配置する。自分が使いやすいと思う、シンプルで手軽なものがあれば十分。 自分の価値観だけで作っ... -
短編
始まりの場所
何もない誰もいない宇宙の果てのようなこの場所は終わりの場所のような 深い悲しみと孤独と共に全ての始まりを与えてくれる特別な場所なのかもしれない私の目の前を一筋の光が通り過ぎていった -
詩
音もなく
降り始めた雪のようにはらはらと 地面に落ちては消えてゆく そこには初めから何も存在していなかったように ただ静かに舞い落ちて ただ静かに消えてゆく -
詩
道
前を行く人がいる 後ろから来る人がいる 今までこの道を歩んで来れたのは 前を行く人たちの背中への憧れ 今も この道を歩み続けられるのは 後ろから歩いてくる人たちが そこにいると感じさせてくれるから 私は今日も 一歩でも前へ進もうと 這ってでも前へ... -
短編
選ばれし勇者と選ばれなかった勇者
初めまして、私は勇者です。 勇者と言っても、性別は女性です。世の中の持つ勇者のイメージは男性だという事で、残念ながら最終選考で『選ばれなかった勇者』です。 君が男性だったらねぇ〜と、審査員の皆さんも悩んでくれたようです。 選ばれし勇者になれ... -
短編
神の宿る木
神の宿る木は新しい芽を出してすくすくと伸びていく見ていなくても育っていくのだけど私は近くで見ていたいあなたが頑張っていることちゃんと見ているよ私の姿があなたには見えなくても -
文章・エッセイ
解放
いつもの道をただ歩いているだけ湧水の流れる小川には小さな森が芽生えている いつもの道をただ歩いているだけ誰にも会わずに何の変化もなくただ歩きたい方向へ歩ける幸せ私がずっと望んでいたのは「ただ歩くこと」 誰かの荷物を持つこともなくただ歩いて... -
短編
桜の花びら
美しく咲く花たち 次の季節を連れてくる風生命を育む冷たい雨 春を待ちわびて凍える冬を越えてきた花たちは 儚く その時を終える 舞い散る花びらは ひらひらと地上に降り立ち 次の生命にバトンを渡す 「愛」 という たった一つの真実を伝え その「命」を全...
