回遊魚

海を泳ぐ魚の尾鰭をイメージしたイラスト。

私の見ている世界に


本当は


意味なんてひとつもないと

知っていた




それなのに


自分が生きている意味や

理由を欲しがっていた




だから


必死で考え

探し続けて


全力で生きてきた





どこまでも遠くへと

走り続けてきた景色を


そっと振り返ってみると




そこには


あの頃居た場所と

同じ景色が広がっていた





私は

水槽の中を泳ぐ

回遊魚のように




ただ同じ場所を

ぐるぐると

回り続けていただけだった






変わったことが

ひとつあるとすれば



心も体も

もう限界だと


悲鳴をあげていることくらい





私は


あの頃と変わらず

泣き虫で


あの頃と変わらず

ひとりぼっちのまま




ただ

膝を抱えて


震えているだけの

臆病者






突然降り出した

冷たい雨が

水たまりをつくる



そこには

何ひとつ成長していない自分が


ぼんやりと映っていた

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この記事を書いた人

日々の想いを言葉にしています。
どこかで同じように揺れている、誰かの心に届きますように。