初めての挑戦、失敗、小さな成功。
自分なりの意見や考え方、解決方法。
小さな頃から
何かを褒めてもらえる機会が無かった。
みんなと私のいる場所は同じはずなのに、
全く別の空間や世界のように感じていた。
例えるなら、
鏡の中からみんなを眺めているような、
同じだけど真反対の世界で、
同じだけど触れられない、
体温を感じられない世界のようだった。
どうしたらその世界に行けるのか、
どうしたらその世界に存在できるのか、
私には答えが出せなかった。
輪の中で、
優しく声をかけてもらいたかった。
私が私であることを許して欲しかった。
だけど、どれだけ手を伸ばしても、
あと少しのところで指先をかすめて遠ざかっていった。
年齢を重ねるほどに、
誤差は広がっていくばかり。
こんなにも長いあいだ求め続け、
近付こうとしてきた世界との距離は、
遠ざかっていただけだったと知り、
途方もなく巨大な暗闇に放り出されたような気持ちになった。
もう私は、
誰の目にも映っていないことを知った。
私の前にはいつも、
本当の私を覆い隠すように、
いくつもの言葉たちが並んでいたから。
本当の私は、
その少し後ろに立っているだけで精一杯で、
私の声は、
誰かに届く前に暗闇に吸い込まれていくだけだった。
そんなある日、
心の中で何かが弾ける音がした。
私を隠していた言葉たちを
弾き飛ばした音だったのかもしれない。
突風が吹き抜け、
一瞬で霧が晴れた景色のように、
鮮やかな色が広がる世界だった。
どうせ私は、いつだって枠の外側で、
いつだって違う世界、いつだって一人だった。
それなら、私が触れられる世界を選んで、
その温度を感じて生きてみればいいのかもしれないと思った。
ずっと欲しかったはずの世界を手放し、
一人でいることを選んだ場所は、
いつもと同じ景色のはずなのにどこか軽やかで、
思春期の頃のような、
柔らかな風が吹いていた。
やってみたかったこと、
今までブレーキをかけ続けていたこと、
そのひとつひとつの箱を開けて、
ふわりと空に返してみたくなった。
そして今、
誰かと分かち合えなかったとしても、
私らしく穏やかに生きていられる場所に触れている。
与えられていないもの、失ったもの、
届かなかったもの。
それはもしかしたら、
私にとって必要のないものだったのかもしれないと、
心が少しずつ軽くなっていくのを感じ始めている。

