小さな自分の世界を広げたくて、
あの時私は、泣き叫びながら
ここに生まれたんだろう。
誰もいない、真っ暗でとても狭い世界。
音や、振動、気配は感じられるのに、
そこではいつも、
ひとりぼっちだったから。
もう一人は嫌だと、
決意した瞬間があったんだろう。
飛び出した先は、
真っ白で何もない世界だった。
それが光というものだと知るまで、
その場所が違う世界だと
理解できなかった。
少しづつ見えてくる世界には、
色というものが存在していた。
それは、全て違っていて、
全てが美しかった。
その美しさは、
どこまでも続いていた。
音は、とてもクリアに聞こえた。
あの場所で聞こえていた音は、
いつも少し曇っていて、
聞き取りにくかったんだと知った。
ここで聞こえる音からは、
体中を駆け巡るような温度を感じた。
もしかしたらそれは、
私に流れ始めた、
決意だったのかもしれない。
ここがどんな場所なのか、
まだ理解しきれていない私は、
強く手のひらを握って、
強くいようとすることしかできなかった。
肺が空気で満たされる。
ここには空間がある。
重力がある。
私の顔を覗く人たちの顔は、
泣いている?
笑っている?
それは
悲しんでいるのか、
喜んでいるのか、
それともそれ以外なのかすらわからなかった。
ただ、ここでは私はひとりぼっちではない。
ここは、私の世界のはじまりらしいことを知った。
世界のはじまり

