2026年2月12日 英雄たちのいる場所

世界が息を潜める頃、

冷たく冷え切った空気を部屋に迎え入れた。


闇に輝いているのは、たぶん北斗七星。


そこには、地球の歴史の呼吸が見えている気がした。



遥か昔の偉大な英雄たちは、

ちっぽけな私の存在なんて知るわけもなく、


ただそこで、

あまりにも眩しく自由に輝いている。



遠い宇宙の彼方に存在しているのに、

その背中は大きくて、


どれだけ手を伸ばしても届くはずもない。



ただ見上げていることくらいしかできない私は、

せめて同じ場所にいると感じたくて、


大きく深呼吸した。





私の胸の中の、

吹き溜まりのような場所に残っていた想いを、


ひんやりと冷たい空気が浄化していく。




細く吐き出した息は、

真っ白な雲のかけらになって空に昇っていった。



それを見送っていると、


私の作った雲のかけらも、

英雄たちのいる場所にいつか届くんじゃないか、


そんな気持ちになれた。





だけど、これはきっと夢の中。



冷たい風が頬を撫で、

私をまだこの世界に引き留めていた。



夢の中? そう、私はずっと夢の中を生きてきた。


私の現実は夢の中にあって、

現実だと思って生きてきた世界こそが

眠っている場所だったのかもしれない。



そんなことを考えながら、

カーディガンの首元をぎゅっと握って顔を埋めた。




ずっとこんな夜が続けば良いのに。




眠ったらまた朝が来る。






私は今どこにいて、どこからが夢で、


どこからが現実なのかも曖昧な、



まどろみの中にいるのかもしれない。

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