命の色

命あるものは皆、自分だけの素敵な色をしたインクを持っている。

みんなそれぞれ違う色のインクを持っているからこそ、この地球は彩られ美しい。
せっかくなら、その自分だけの素敵なインクの色を見てみたいと思わない?

広くて美しい湖の、透明な水の中にポタリと1滴。
ゆっくり、ゆっくり、インクの色が広がって、透明だった水面に綺麗な色をつけていく。

ゆったりとした波紋の輪を広げながら、澄んだ美しい色を見せてくれる。

それを見ていた人たちは、嬉しくて思わず「わー!綺麗!」って、声に出してしまう。


そんな素敵な色を見た人たちも、自分のインクはどんな色なのか見てみたくなるから、1滴ポタリ。

そうすると、それがどんどん連鎖していって、みんなもインクをポタリと落とし始める。

美しい色が広がるたびに、みんなの嬉しい気持ちも広がっていく。

隣り合った色が途中で混ざりあって、また新しい色が出来ていくと、「わー!いいね!」って、隣にいる人に伝えたくなる。

嬉しい気持ちは、どんどん増えて、優しい気持ちでいっぱいになっていく。


だけど時々、真っ黒なインクを落としにくる奴がいる。
みんながどんなにキレイなインクを落としても見えなくなってしまうような、真っ黒のインク。

自分の色は全部の色をかき消せるんだ!凄いだろ!って。

そんな奴が1人でも現れると、みんな悲しくなってしまう。

真っ黒なインクを持った奴は、自分のインクが入っていた瓶を逆さまにして、そのビンゴと湖に放り投げた。

美しく広がっていたみんなの色をかき消して、どんどん広がっていく。

みんなに悲しさが広がっていく。

自分もその黒色に負けないくらい、みんなの色をかき消せるんだぞ!って、また真っ黒のインクをドボドボと湖に流し込む奴が連鎖していく。

そこは、あっという間に嫌な気持ちばっかりの、悲しい世界になっていた。

1度真っ黒にされた湖を見て悲しくなってしまうと、もうこの世界には綺麗な色は無くなってしまって、自分が持っているインクも真っ黒なんだろうと、思い込まされてしまう。


だけど、どの色も全部同じインク。
時間が経てば薄くなっていって、また透明な水に戻っていく。

だからそのタイミングを待って、また綺麗な色のインクを1滴ポタリと垂らせば良い。

どんな色と混ざろうが、かき消されようが、自分のインクの色はずっと自分だけの綺麗な色。誰にも変える事の出来ない、奪う事も出来ない、その人だけの特別なインクなのだから。

だから自信を持って、「これはとっても綺麗な色なんだよ」って、誰かがポタリと1滴インクを垂らして見せてあげれば良い。

そしたら、「わー!本当だ!綺麗!」って、周りの人たちも、また自分のインクをたらしてみたくなるから。

誰かが最初の1滴を垂らさないと、みんな怖くて自分の綺麗な色のインクをしまったままにしてしまうから、みんなが綺麗なインクをいつでも好きな時にポタリと1滴たらせるように、怖がらないで、勇気を出して、まずは自分のインクをポタリと1滴たらして見せてあげよう。

きっとステキな世界が広がっていく。

だから私はいつだって、その時が来るのを心待ちにしている。みんなの素敵なインクの色を見れる日を、今か今かと待っている。


あの真っ黒なインクをたらした奴だって、自分の素敵な色のインクを見付けたら、ここに持って来るはずだから。

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