森を抜け、夜の町に出ると、目の前には教会が見えた。
冷たい空気に包まれた教会の窓からは、あたたかく優しい灯りが溢れている。
静まり返った真っ白な町は、クリスマスが近づくほどに色付いていく。
みんなのワクワクした気持ちを、ひとつずつ箱に閉じ込めるように、しんしんと降り続く雪は、町の音を隠しているようだった。
Silent Night.
期待に夢が膨らむ夜。
今年は、この町に住む子供たちの家を訪ねることになっている。
この仕事はもう長いけれど、毎年この時間が1番好きだ。
さぁ、急がないと間に合わなくなってしまうぞ。
子供たちのワクワクを感じると、ついつい前のめりになってしまうのが私の悪い癖だ。
今年こそは、慌てずにどっしり構えて仕事を終えたいと思っている。
トナカイたちにも、そろそろ良いところを見せてやりたいものだ。
*この物語は、2025年12月1日に note と X に投稿したものを転記しました。

