12月に入って、一気に冬らしい気温になった。日課だった愛犬との散歩も、寒さには勝てない。
私は布団に潜り込んで、寒さをやり過ごしていた。
午後になり、ようやく活動を始める私を、愛犬は横目でチラリと覗いている。
世の中はイルミネーションで彩られ、クリスマスケーキやチキン、プレゼントの広告で埋め尽くされているというのに。
楽しそうな空気に、自分だけ置いていかれてしまったような、からっぽの時間をすごしていた。
やる気の出ない自分を奮い立たせ、やっと家を出た。
愛犬は、待ってましたと言わんばかりに猛ダッシュで走り出す。全くやる気の出ない私は、そんな速度では走れない。
だけど、走った先にはいつも私が好きそうな花が咲いている。今日だってこの寒い中でも可愛らしい花が咲いていることを教えてくれた。
愛犬は、いつも必要な場所へ、ぴったりのタイミングで連れて行ってくれる。
出会う人や、目に留まった草花、小さな鳥たち。
その全てが、私へのヒントやエールでしかなかった。
言葉を話せない動物だからこその、コミュニケーション方法だったのかもしれない。
そんなことに気付いた時、私の中にあたたかな何かが流れ込んできた気がした。
今年も冴えない12月が過ぎるだけだと諦めてしまっていたけれど、
この子と過ごすようになってからの毎日は、どんな出来事も全部、特別なプレゼントだったんだと知った。
今年のクリスマスは、そんな私たちの毎日をお祝いしよう。
そんな風に思えたことが、何よりのクリスマスプレゼントだね。
ありがとう。
*この物語は、2025年12月5日に note と X に投稿したものを転記しました。

