あと数時間で、今年最後の満月が完成する。
私は、あなたを照らすために灼熱の炎を纏っている。
この日をどれだけ待ち焦がれていたことか。
あなたが1番美しく輝ける今夜のために、私はいつもこの宇宙で炎を絶やさずにいた。
穏やかに輝く星たちのように、私も優しくありたいと思っていた事もあった。
でも、今は違う。
あなたの輝く姿が見られればそれでいい。
あなたに近付くことは永遠に出来ないけれど、この宇宙で一番、あなたの幸せを願っているのは私だと言い切れる。
そして、あなたを想うことは、宇宙に存在する全ての星々を輝かせることになる。
あなたという存在は、この宇宙の全てを照らすもの。
だから私は今日も全てを燃やし尽くし、誰も寄せ付けない熱を帯びてここに存在している。
そういえば、この季節の地球には、クリスマスという行事があるらしい。
人々が望むプレゼントを配るために、サンタがトナカイたちと一緒に夜空を駆けまわる姿を何度も見届けてきた。
いつか、私の元にもプレゼントを届けてくれるかもしれない。
私の望むプレゼントは、ただ一つ。
あなたの隣にそっと寄り添える、冷えた体だ。
*この物語は、2025年12月4日に note と X に投稿したものを転記しました。

