朝起きるのが苦手な私は、布団から起き上がり、とりあえずテレビをつけるのが日課だ。
部屋の中に人の声が響くと、少しずつ目が覚めていく気がするから。
コーヒー用のお湯を沸かしながら歯を磨く。頭は半分以上まだ寝ている。
昔思い描いていた20代の生活とは程遠い毎日を過ごしている自分が嫌になる。
部屋のテレビからは、今日の天気を告げる女性の声が聞こえてきた。
「今朝、関東で初霜が観測されました。東京都心でも最低気温4.9℃を記録しており、今日は今季一番の冷え込みとなりそうです。マフラーや手袋など、温かくしてお出かけください」
台所から部屋のテレビを覗いてみると、キラキラの笑顔の女子アナがこちらを見ていた。
私はすぐに勝手口のドアを開け、パジャマのままの自分を両手で抱きしめながら外に出た。
ピンと張り詰めた空気が、一瞬で私を包んだ。
しゃがみ込んだ足先の落ち葉は、銀の縁取りをして、冬が本当に来たことを教えてくれていた。
20代最後のクリスマスは、いつもより背伸びをして、とっておきのプレゼントを買おうと決めた。
こんなところで、いじけている場合じゃない。
私の奥で燻っていた気持ちに、冷たい空気が入り込んで、小さな炎が灯った気がした。
*この物語は、2025年12月2日に note と X に投稿したものを転記しました。

